巻頭言
リハビリテーション医学・医療の魅力と面白さを伝えたい
酒井 良忠
1
1神戸大学大学院医学研究科リハビリテーション機能回復学
pp.1018
発行日 2024年11月18日
Published Date 2024/11/18
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- 文献概要
リハビリテーション医学・医療とは,activities of daily living(ADL),quality of life(QOL)をリハビリテーション医学・医療の知識,技術,手法を用いて最大限にすることで,患者,対象者の活動を育むものであり,リハビリテーション科医は医療資源,社会資源を有効に利用しながら,多職種・多診療科と連携して患者にリハビリテーション医療を提供する役割を担う.だが,リハビリテーション科医は非常に不足していることに加え,エビデンス構築もまだ不十分である.しかし,これがリハビリテーション医学・医療の魅力になると考えている.
急性期では,常に進歩している高度医療や先進医療に対して,新たなリハビリテーション医療を考える必要がある.例えば,がん治療においてリハビリテーション治療の重要性は多くのエビデンスが構築され認知されるようになってきているが,一昔前はがん患者にリハビリテーション治療を行うことは一般的ではなかった.また,近年ロコモティブシンドローム,フレイル,サルコペニアがさまざまな疾患の治療予後を悪化させることが判明しており,治療成績の向上に対するリハビリテーション治療の重要性が理解されつつある.リハビリテーション・栄養・口腔管理加算や急性期リハビリテーション加算といった新たな保険算定が認められ,プレハビリテーションや超急性期のリハビリテーション治療,さらに栄養療法を含めたリハビリテーション治療のエビデンス構築など,これから大きく発展する分野であり,非常に魅力的である.
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