焦点2 「乳幼児期に早期介入」の試み
相州メンタルクリニック『乳幼児チーム』の実践
青木 豊
1
1相州メンタルクリニック
pp.53-59
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900459
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はじめに
近年,困難な母子関係(乳幼児―養育者関係)が,精神保健の重要な関心事の1つとなりつつある。それは,重症例では乳幼児虐待や虐待による死亡が社会問題となり,あるいは虐待ネグレクトには至らないものの育児困難を抱えた毋子関係が多くの問題をはらんでいることへの社会的な気づきによるものであろう。実際,乳幼児期の養育者との関係が,後の心理―社会的発達に影響を与えることは数々の研究によって明らかになっている。
こういった状況のもと,相州メンタルクリニックでは,精神保健における乳幼児早期介入の重要性を考え,乳幼児精神保健チーム(以下,乳幼児チームと略す)をつくり,専門外来治療を行なっている。
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