連載 精神看護ボストン・レポート⑥
クリティカルパス―Critical path
三原 晴美
pp.66-70
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900255
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1994年,セントエリザベス・メディカルセンターでは,急速に浸透してきたマネジドケアに対応するため,ケースマネジメントの研究者であるカレン・ザンダー氏を招き,クリティカルパスの実用化を計画しました。ザンダー氏は,1980年代に,ケースマネジメントセンターを創立し,同時にニューイングランド・メディカルセンターでケースマネジメントの手段として実際にクリティカルパスの導入を試み,その成果を1988年に発表しました。残念ながら,これには精神科におけるクリティカルパスは含まれず,ニューイングランド・メディカルセンター精神科では現在も従来の看護記録を使用しています。
当時,マネジドケアは内科・外科が主体で,メディケアやメディケイドが大半であった精神科の医療費支払い方法が変化してきたのは,1990年代の中頃になってからでした。精神科にマネジドケアが持ち込まれるようになると,精神科,とくに急性期の精神科病棟での入院期間は急激に減少し,ボストン市内では多くの病院が開放病棟から閉鎖病棟へと変化しました。また,閉鎖病棟への転換できなかった総合病院の精神科は閉鎖されてきました。
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