連載 地域移行の時代に“避けて通れない” 「身体疾患」治療・ケアのパラダイムシフト・5
最初から、治療しないほうがよかったのか?—統合失調症をもつ患者さんのがん治療
石田 琢人
1
1東京都立松沢病院内科
pp.528-533
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201353
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精神疾患をもつ患者さんは、身体疾患に罹患したとき、標準治療を受ける割合が低いことが知られています。例えばフランスでの調査によると、統合失調症の患者さんでは、がんに対する化学療法や放射線治療を行われる頻度が低いことが報告されています*1。
こういった情報を見ると、精神疾患をもつ患者さんはまだまだ差別されているんだな、と感じる方が多いかもしれません。ただ、実際のがん治療の現場においては、治療方針の決定がなされるまでにさまざまな困難さやスタッフの葛藤があります。
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