特集 契約になじまないケースあなたならどうする?
特集1
「対応困難事例」のケアマネジメント―ケアマネジャーの能力や努力で対応可能な問題とそれを超える問題があることについて
岩下 清子
1
1国際医療福祉大学・国際医療福祉総合研究所
pp.184-186
発行日 2001年3月15日
Published Date 2001/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901280
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「対応困難事例」に直面するケアマネジャー
介護保険制度の施行開始以後,居宅介護支援事業所を併設している訪問看護ステーションでは,対応が難しく,連絡・調整・相談などに多くの労力を必要とする「対応困難事例」を少なからず抱え込んでいるのではないだろうか。「対応困難」であろうがなかろうが,ケアマネジメントの介護報酬は要介護度別に定額なので,「民間事業者としては引き受けたくない」というのが本音であろう。このようなケースは,いきおい在宅介護支援センターに流れる傾向がある。しかし,その在宅介護支援センターも補助金が大幅にカットされ,ケアマネジメントの介護報酬をあてにしなければ経営できなくなっている。
他方,ケアマネジャー個々人としては,どこに所属していようと「難しいケースだからといって断るわけにはいかない」と考える人は多い。また,「対応困難であるほど意欲がわく」という人も少なくない。現状では,「対応困難事例」のケアマネジメントは,そうしたケアマネジャーの多大な無償の時間外労働に負うところが大きい。
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