シネマ招待席(最終回)
ミッション・インポッシブル
岡本 祐三
1
1神戸市看護大学
pp.453
発行日 1996年11月15日
Published Date 1996/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901205
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ご存じテレビの人気シリーズの映画化.仕上がりはテレビ版よりもちろん数段上等で,十分楽しませてくれる.私はこういうサスペンスものが好きだから,例のテーマミュージックが流れてきた瞬間から,ワクワクしてくる.飛行機のファーストクラスのシートにゆったり座るフェルプスのところに,ビデオテープが届く.もちろんこれが例の「不可能な秘密指令“Mission Impossible”」だ.見終わると「例によって君たちがどうなっても当局は一切関知しないから…」というメッセージとともに,プシューと一条の煙がたつ.こんなワリの合わない命賭けの仕事をしょっちゅう引き受ける,このチームはいったい何なんだ?という疑問は前からあるのだけれど,この映画でもその説明は一切なし.要するにCIAの下請けスパイ組織のひとつ,観客はテレビシリーズをみて,そんな事情は先刻承知ということが前提になっている.ま,そんなことはどうでもよろし.
ウクライナのキエフでチームが,フェルプスから今回の任務の説明を受けるところから,いよいよはじまる.冷戦構造は終焉したんだけれど,やはりスパイ活動となると旧ソ連圏が舞台にならないと雰囲気がでないものらしい(ここでフェルプスが,その前日どこのホテルに泊まったかをちゃんと覚えておいてくださいネ).
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