連載 小瀬古伸幸の精神科訪問看護のしくじり体験・第2回
双極性障害を持つ利用者・家族と、訪問看護師との間に生まれた溝—枠組みに当てはめすぎた訪問看護の末路
小瀬古 伸幸
1
1訪問看護ステーションみのり
pp.396-402
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688202027
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事例 双極性障害(混合状態)の20代前半男性
Cさん、20代前半、男性、双極性障害(混合状態)、両親と同居しています。
高校卒業後、就職した当初は「自分は何でもできる」という思いが強く、どんな仕事にも取り組んでいました。2か月ほど経過した頃、仕事でミスをしたことから自信をなくし、すぐに退職しました。その後アルバイトをしたのですがどの仕事も長続きせず、引きこもりがちな生活となりました。「なんだか生きていてもいいことがない……死んだ方がマシ……」と家族に漏らすようになりました。しばらくして急に涙を流すこともあり、家族も異変に気づきます。精神科を受診し、双極性障害と診断されました。希死念慮があることからその日のうちに入院となりました。
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