特集 在宅浮腫マネジメントのための新常識—利尿薬だけの対応になっていませんか?
—新常識❶—「軽症を保つ」「重症例は悪くさせない」
小川 佳宏
1
1医療法人リムズ徳島クリニック
pp.858-863
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201560
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
むくみを“治す”のは難しい?
必ず“改善”できる
私は30年以上にわたり「むくみ=浮腫」に悩む患者を診察してきましたが、「むくみを治すのは難しい」という医師の声をよく耳にしてきました。在宅で療養している高齢者は特に脚がむくみやすく、訪問看護に従事されている皆さんも対応に難渋することが多いのではないでしょうか?
それは当然で、むくみは1つの「疾患」ではなく、単なる「症状」だからです。例えば、心不全のむくみに対し、利尿剤を処方して尿量を増やすことで一時的に軽減させたとしても、心不全以外の「むくみの原因」があれば再びむくんできます。また、原因が確定しても、その疾患が“完治”しなければ「むくみ」の解消は難しく、「難治性浮腫」と呼ばれて放置されることもあります。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.