調査報告
介護支援専門員による高齢精神障害者への支援の現状と課題
原田 小夜
1
,
西垣 里志
2
,
山根 寛
3
1梅花女子大学看護保健学部看護学科
2聖泉大学看護学部
3「ひとと作業・生活」研究会
pp.198-203
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200888
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介護支援専門員(以下、CM)の高齢精神障害者への支援の現状と課題を明らかにするため、自記式質問紙による集合調査を実施、90人の回答を得た。回答者の平均年齢48.2歳、経験平均年数7.5年であり、高齢精神障害者のプラン作成経験は83.3%で、利用者のもつ障害の内訳は統合失調症37.8%、抑うつ・うつ病62.3%、不安神経障害38.9%、アルコール依存症34.4%であった。対応に困った行動項目では、利用者の気分が変動する、生活上の不安に対する訴え、幻聴、幻視等の訴えや独語、「死んでしまいたい」と訴える、身体が痛い・具合が悪いという頻回の訴え、物が盗られたという訴えで、そのような行動に「困った経験有り」が70%を超えた。精神障害者の地域移行が推進されるなかで、CMが力量不足を感じ、精神保健医療福祉関係者との連携で困難を感じている現状が示唆された。
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