巻頭カラーグラフ 終える命 つなぐいのち・第6回
制度の穴埋めた学生たち
國森 康弘
pp.709-713
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200269
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「淑子さんが、いちばんの先生だった。全身が動かない人をケアする技術から、私自身の恋愛や生き方相談にまで乗ってくれ、大切なことをたくさん、身をもって教えてくれた」。ALS(筋萎縮性側索硬化症)を抱えた淑子さんが亡くなったとき、ケアに携わった地元の学生や卒業生はそう語った。
淑子さんは仙台市に暮らした。朗らかで、社交的。自宅で開いた英語教室には、ご近所さんや子どもたちが、よく出入りしていた。夫を急な病気で亡くして、年ごろの娘が2人。そんな折……体が動かなくなり、やがては自力で呼吸さえできなくなる進行性の難病ALSを、58歳で告知される。
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