特集 ICF(国際生活機能分類)を訪問看護に活かす
多職種協働のための共通言語としてのICF
藤田 伸輔
1
1千葉大学医学部附属病院地域医療連携部
pp.973-977
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101744
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日本の医療と世界の医療の違い
わが国は,世界に冠たる長寿を,非常に安い医療費で達成しました。これは裏返せばわが国の医療者は世界でもトップクラスの医療を大変効率よく提供しているわけです。こう言うと「トップクラスの医療はアメリカにあるのではないか」と思われる向きも多いでしょう。しかし,少数の最先端医療を行なっている医療機関のレベルではなく,国民全体に提供している医療というレベルでは間違いなく世界のトップなのです。
わが国では,基本的医療は国民全体に提供されています。国民皆保険制度によって,誰でもいつでも安心して医療機関を受診できます。そして,診療報酬支払制度によって医療機関間の経済競争がほとんど起こらなかったこと,自由開業制・自由アクセス制(どの医療機関でも自由に受診できること)によって医療機関間の競争が機能してきたことなどによって世界のトップに立ったと考えられています。
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