連載 ヒト・モノ・バをつなぐ認知症ケア―今日のデザインの役割・1【新連載】
本人・家族を支えたもう1つの力
山崎 正人
1
1東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程
pp.592-595
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101119
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デザインは何を「つなぐ」のか?
●はじめに
私が母の認知症介護をするようになってから11年が経過しました。この期間,夫婦共働きということもあり,周囲の方からよく「奥さんは大変ですね」と声をかけられました。これは,ほとんどの方が介護は女性がするものと決めつけているからでしょう。
認知症であっても軽度の症状ならば,少し手助けをすればいろいろなことが実行できます。しかし,家内の手助けの声かけに母は,「これは家に帰ってから自分でやるわ」と他人行儀に応えました。同様のことが数回続き,妻が「自分は家族ではないのか,この家にいてもいいのか」と呟いたことがありました。このとき両者を取り持つのは私しかいないと痛感しました。
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