特集 高齢者虐待を考える
高齢者虐待から本人と家族を救うために訪問看護師ができること
表 志津子
1
1金沢大学大学院医学系研究科
pp.647-649
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100887
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「なんとなくこの家はおかしい」。在宅療養をしている高齢者の家庭を訪問して,第六感にも似た感覚をもつことがある。担当している他の家庭とは異なる何かが確かにある。訪問看護師ならば,誰でも一度や二度,このような経験があるだろう。この感覚を活かしていけるかどうかは,私たち個人の認識にかかるところが大きい。私は平成15年度から金沢大学で地域看護学の教育に携わっている。在宅看護実習や以前携わった介護実習では,さまざまな家庭のありように接し,虐待の疑いを抱いたり,関わり方の難しさを感じてきた。大学院後期課程では,高齢者虐待を担当する専門職に焦点をあてて支援のあり方を検討し,現在はシステムづくり等に関心をもって取り組んでいる。
本稿では,虐待を察知することの意味,高齢者が安心して暮らせる生活の実現のために看護師ができることについて考えてみたい。
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