特集 企業に学ぶ病院経営
【インタビュー】トヨタ記念病院は何をめざすのか―企業の論理と医療との融合へ
小野 政秀
1
,
久保田 敬子
1
,
西元 勝子
2
1トヨタ記念病院
2固定チームナーシング研究所
pp.334-344
発行日 2001年5月10日
Published Date 2001/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901412
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トヨタ記念病院のあゆみ
西元 いま,社会情勢が厳しいなかで,医療保険制度も先行きが見えず,病院経営としても非常に苦しい選択を強いられている状況です。また,さまざまな規制のなかにある病院以上に,一般企業のおかれている情勢は想像するに難くありません。そこで,今回は,企業のなかでも,つねにトップを走り続け,なおも変革させようと不断の努力を重ねるトヨタ自動車のつくったトヨタ記念病院の現状やかかえている課題などを伺って,医療のなかだけではなかなか考えないような企業の発想からの病院経営について,看護の視点から学びたいと思います。まず,病院の概要からお話しください。
小野 トヨタ記念病院は,1938(昭利13)年にトヨタ自動車工業株式会社(以下,トヨタ自動車)が挙母(ころも)工場内に診療所を開設したのが最初です。ちょうど米国で,東部から西部へ鉄道が延びるにしたがって企業が進出して,その地域で病気で倒れる人たちを助けるために診療所を作っていったのと同じような経緯です。同じ頃,日立製作所さん,松下電器さん,新日鉄さんといった企業も同様に,診療所を設立しています。
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