連載 高嶋妙子のページジャック!・11
ついている人生
高嶋 妙子
1
1聖隷浜松病院
pp.138-139
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900958
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時々,自分の人生は人間を超える大きな力によって,生まれ落ちた時からすでに決まっているのではないかと思うことがある.人との出会いに始まり,職業との出会いも本との出会いも,また自分が起こすのではないできごととの遭遇も,偶然でありながら,自分という人間づくりにあまりにも大きく影響するからである.
運命は決まっているから努力の甲斐はないと捉える人もいるが,私は出会いもひとつのチャンスと考えるので,運命に手をこまねいていることはできない.つまり,出会いは偶然であるが,それを自分の血肉にするのは自分の責任であると考えている.自分の力ではいかんともしがたい運命にも,自分の意志を介入させることはできる,選択の余地はあると思うのである.結論的にいえば,1回きりの自分の人生を,ついている人生にするもしないも自分にかかっていると思っている.
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