特集 看護のエンパワーメント
パワーを使う
パトリシア・アンダーウッド
1
Patricia Underwood
1
1兵庫県立看護大学
pp.21-27
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900543
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
パワー,ポリシー,ポリティカル・アクション
私たち看護職は,ポリティカル・プロセス(政治的過程)を十分に理解せずに,ポリシー(政策)あるいはポリティカル・アクション(政治的行動)を政府や政治家の問題と考えることが多い.また,通常女性はパワーをマイナスなものと見がちである.
これまで私は,看護職が自分のパワーを使おうとしないために,あるいはパワー獲得のためのゲームに参加しないために苦しむ例を,数多く目にしてきた.多くの看護職がもつ,地位,専門,人とのつながりのパワーが行使されれば,看護の実務や患者のケアによい影響があったはずである.しかし,看護職はパワーシージング・ゲームに参加しないばかりか,たとえ参加しても相互的サポートスタイルを選択したために,パワーシージングの環境では,逆に相手にパワーを獲得するチャンスを与えてしまったことも多い.気づいた時には,看護の予算は削減され,実践の場所も,実務に関する法律も変わっていたのである.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.