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はじめに
取り組みに至る経緯
手術室看護師は,手術チームのパフォーマンスを最大限に発揮できるようマネジメントし,自らも力を発揮しなければなりません。また,それらの役割を果たせる人材の育成も求められます。
筆者の所属していた清水厚生病院(以下,当院:表1)では,4つの手術室で整形外科,消化器外科,乳腺外科,婦人科,眼科の手術が平均38件/月(2020年度)行われ,手術室看護師の7名が直接介助・間接介助などの周術期看護を実践しています。
しかし,手術室看護師7名は,外来,中央処置室,内視鏡室,救急外来を兼務する勤務体制により多重業務を担い,また慢性的なマンパワー不足が生じていました。そのため,「安心・安全」な周術期看護の継続は難しいと考え,必死に解決策を模索していたところ,手術室業務に専門的に携わる臨床工学技士の存在が目に留まりました。
当院で臨床工学技士を手術室業務に配置してから2年余りが経過し,主に麻酔器などの医療機器の対応を行っていました。そのため,手術室の1日の流れや基本的な清潔・不潔操作を理解し,手術室看護を間接的に体験していると言えるのではないかと考え,手術室業務の一部を臨床工学技士にシフトすることを検討しました。
そして,2021年3月の手術室定例会議において,手術室部長(医師)と手術室管理者(看護主任)の提案により,同年4月1日から,臨床工学技士2名による器械出し業務の導入に向けた教育をスタートすることになりました。
臨床工学技士と看護師には,処置に対しての制限や専門領域に資格上の違いがありますが,知識や技術を可視化することで「安心・安全」な器械出し業務を実践できると考え,新たに学習プログラムを考案し,有用な人材育成を目指した取り組みを行いました。以下では,その取り組みについて紹介します。
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