連載 職員の安心を支える病院デカ・14
魔法の鏡
吉田 護
1
1新潟県済生会三条病院 安全担当部
pp.130
発行日 2013年2月10日
Published Date 2013/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102696
- 有料閲覧
- 文献概要
看護師が患者からお金を騙し取った!?
部屋で執務中,病棟の看護師長から「入院している患者の奥さんが『担当の看護師が夫から70万円を騙し取った。早く返すよう命令しろ』と言っている。担当の看護師は現在妊娠中で,奥さんと会うたび早く返せと言われ,精神的にも相当落ち込んでいる。他の入院患者や見舞いに来た人に対しても廊下で盛んに看護師の悪口を言ったりして困っている」との通報を受けた。
被害状況を,患者本人から聞いたが,自分は看護師にお金なんか渡していない,と否定した。患者の妻が目撃証人として挙げた別の看護師にも話を聞いたが,「お金を受理した現場など見ていない」とのことであった。これらの証言から,看護師が患者からお金を騙し取った事実はなく,患者も否定しており,あくまでも患者の妻の思い込みと考えられた。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.