特集 活動を評価し改善するプロジェクトマネジメント 4病院の事例から
現場職員参加型の経営健全化プロジェクトK5―現場が考え行動できる組織へ
岩切 幸一
1
1久我山病院 総務課
pp.1154-1157
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102281
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
赤字経営からの脱却─プロジェクトK5の発足
久我山病院(以下,当院)は,東京都の世田谷区,杉並区,三鷹市の3市区に挟まれた緑豊かな環境に位置し,地域医療を担う総合病院として地域の方々に貢献すべく,医業に従事してきました。最寄り駅から徒歩7分,高齢者や足の不自由な方向けにシャトルバスも運行しており,病院へのアクセスは決してわるいほうではないと思います。病院周辺は住宅地で,マンションや団地も多く,周辺人口は都内でも恵まれた立地として申し分のない条件で病院運営を行なってきました。しかし,そういった環境のよさとは裏腹に,経営状況は芳しくなく,長年赤字経営に苦悩してきました。どうにかしてこの経営危機を脱し,健全な経営体制を構築しなければならない,そのような切実な思いのなか,経営健全化プロジェクト(プロジェクトK5)が発足しました。
プロジェクトK5とは,「久我山病院」が「考えて」,「変えて」,「輝いて」,「勝ち組になる」という頭文字にKが5つあることからネーミングされた現場職員参加型の経営健全化プロジェクトです。キーワードは「現場力」で現場の職員が立案,実行,検証を行なっていくわけですが,現場主導という点で当院としても今までにない初の試みでした。そして,このプロジェクトK5というネーミング自体が,病院の向かうべき方向性,目的,使命を全職員が共有する一助にもなりました(図2)。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.