特集 看護必要度を看護管理に活用する―手厚い看護をより効果的に提供するために
病棟での看護業務状況を「見える化」する
山田 佐登美
1
1岡山大学医学部・歯学部附属病院
pp.728-735
発行日 2006年9月10日
Published Date 2006/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100355
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当院では,2005(平成17)年1月に初めて「看護必要度・重症度」の調査を全病棟で,1週間行なった。それまでは,長年「看護度(A.B.C/Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ.Ⅳ)」を用いて全病棟で毎日測定し,師長会を通して公表していた。在院日数が短縮するにつれ,業務量が増加したという声が高まってきた。在院日数と「看護度」の経緯をみてみると,図1のように在院日数が短縮するとともに重症患者が増加し,軽症患者は減少,中等度重症はあまり変化がないということが如実にわかった。また,在院日数と観察度・日常生活動作の変化をみると,図2のように「常に観察」「ベッド上」が在院日数の短縮とともに増加,「継続観察不要」は減少傾向にあった。
しかしながら,「看護度」は,患者の状態によって提供される看護サービス量がどう異なるのかということはわからない。そして,どのくらいのナースを投入すれば適正なのかを測ることはできない。そこで「看護必要度・重症度」による評価を試行してみようということになり,昨年より6,10,1月の年3回の1週間,全病棟を調査することにした。評価者の教育は,看護協会などの評価者研修に参加した,副看護部長,副看護師長2名が中心となって,師長会や師長・副看護師長セミナーなどで実施した。本稿では,これまでの活用効果と課題を述べる。
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