特集 ケアの意味を見つめる事例研究─現場発看護学の構築に向けて
「ケアの意味を見つめる事例研究」のプロセス
実践の概念化
3.「大見出し」「小見出し」への整理と学会発表
野口 麻衣子
1
,
山本 則子
1
1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻
pp.423-430
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201542
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前章では,事例の書き出しと語り合いから,事例の意味を端的に表わすキャッチコピーをつけていく過程について紹介した。キャッチコピーを考えるときは,皆で語り合い,頭を遊ばせ,自由な発想で楽しみながら言葉を探す。しかし,自由な発想でつけられたキャッチコピーのため抽象度のバラツキが大きく,具体的にどのような看護実践が行なわれたのかという説明には至らないことが多い。「ケアの意味を見つめる事例研究」(以下,本事例研究)は,優れた看護実践の知を共有・転用可能なものにすることを目的にしており,事例研究の読者が次の実践に活用できる知の提供をめざしている。そのため,キャッチコピーからさらに踏み込んだ分析が必要となってくる。そこで,本章では事例研究の分析プロセスの後半(概念化)にあたる,①キャッチコピーから「大見出し」「小見出し」への整理と「表」の作成,②ポスター作成と学術集会での発表について述べる。
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