連載 英語論文を書くということ・3
文献検索の目的,種類,実行法
余 善愛
1,2
1University of North Carolina at Chapel Hill School of Nursing
2University of North Carolina at Chapel Hill Center for Health Promotion and Disease Prevention
pp.70-76
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201228
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前回は,論文を書くときに理解しておくべき3つのポイントとして「論文の構造」「論理的な話の構造」「文章の効果的な書き方」について解説しました。そして,主張(claim)を強化するための証拠(evidence)の重要性を掲げ,文章を書く,特に論文を書くということは,実は自分の言いたい,または信じることを,事実・証拠を並べながら順番に説得していくことであるというお話をしました。もしもこれが論文ではなく口頭発表などである場合は,発表者は聴衆の質問に対し,聴衆の反応をみながら話を進めていけますが,論文の場合,目の前に聴衆がいません。ですから,これを書いたら聴衆がどんなことを聞くだろう? またどんな反応をするだろう? ということをあらかじめ想定しながら,その反応や想定される質問を織り込んで論文を書くと,読者を引きつけることができます。
今回は,上記3つのポイントの「論文の構造」に焦点を当てながら,まずは,読者を引きつけるという意味で最も大事な序言(Introduction)と,その中で大事な部分を占める文献検索について述べたいと思います。文献検索の仕方は簡単に触れることとし,その結果をどのように論文に織り込んでいくかということに主眼を置きたいと思います。
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