焦点 Instrument Developmentの研究
解説
SE(Self-Esteem)について
菅 佐和子
1
1愛知医科大学精神神経科学教室
pp.117-123
発行日 1984年4月15日
Published Date 1984/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200788
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1.Self-Esteemという概念について
人間は誰でも,自分自身について何らかの認識やイメージを抱いている。それが「自己概念」や「自己像」と呼ばれるものであり,その個人の行動や適応様式を規定する重要な要因であるとみなされている。
試みに,「私は‥‥」で始まる短文をできるだけ多く作っていただきたい。「私は‥‥女性である」「私は‥‥日本人である」「私は‥‥看護婦である」「私は‥‥○○県の出身である」といった,ごく客観的な反応は誰もがすぐに思いつくものである。これらの反応は,確かにその個人の属性を述べているが,そこにどのような評価的感情が伴っているかは不明である。ところが,これが「私は‥‥とても美しい女性である」「私は‥‥優秀な看護婦である」「私は‥‥明るい性格で皆に好かれている」などという反応であれば,その個人はおそらく,自分自身に対して好ましい感情や高い評価的感情を有しているであろう,という「推測」が成り立つ。
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