英語論文へのアプローチ
アンケート文章とその周辺
内海 滉
1,2
1千葉大学看護学部附属看護実践研究指導センター
2千葉大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程
pp.68-74
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200783
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およそアンケートというものは,被験者に答えてもらうための質問であるから,文章は簡単で短く,被験者が読みやすくまた読みたくなるような文面で,しかも被験者の考えがそれを読むことによってまとまりやすくなるような平易な内容が巧みに解説されて,整然と各項目が配置されていなければならない。だが,そのようなクリアーカットなアンケートでは,被験者が自分の理想像を作りあげてしまったり,うっかりアンケート作者の哲学に乗せられて,自分の虚像を誘導訊問されたりして,わかりよいアンケート,感じのよいアンケート必ずしも正確なアンケート,客観的なアンケートではない場合も少なくない。
イメージを求めるアンケートの場合にはむしろロールシャッハテストの複雑無意味刺激図形のように,長々しく,どこが強調されているのかわからないような,まとまりのない文面が,作者の独断や偏見や光背効果を減らすために利用される。さて,わが英語論文におけるアンケートの文体はいったいどうだろうか。
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