特集 「私のからだは私のもの」から始める初期中絶のケア
政治から見る日本の人工妊娠中絶
岩本 美砂子
1
1三重大学
pp.546-551
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202365
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本稿は,日本の人工妊娠中絶(以下,中絶)をめぐる政治的動きの概説である。避妊・中絶・出産は日本では保険適応外で高額であり,国際的に見て異常である。2023年には経口中絶薬が承認されたが,現行法では服薬にも配偶者の同意が必要で,母体保護法指定医師しか処方できない。これも国際的に見てありえない規定なのだが,いまだに母体保護法の見直しや堕胎罪廃止の見通しはない。
日本の中絶はなぜこのようになっているのだろうか。本稿では,その現状に至る経緯を概説する。
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