実践報告
新型コロナウイルス感染症に対する総合周産期母子医療センターとしての準備—施設・設備の制約の中で
佐藤 貞子
1
,
齊藤 恵里子
1
,
髙橋 真由子
1
,
太田 やよい
1
,
中村 智代子
2
,
武田 智子
3
1仙台赤十字病院 総合周産期母子医療センター
2仙台赤十字病院
3仙台赤十字病院 中央手術室
pp.48-55
発行日 2021年1月25日
Published Date 2021/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201710
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はじめに
新型コロナウイルス感染症拡大により,日本国内では平時と異なる対応が求め続けられている。医療機関においては,2020年5月25日の緊急事態宣言解除後も陽性者の受け入れ体制の拡充と共に感染防止対策を強化した医療提供が必然となっている。
仙台赤十字病院(以下,当院)では,2020年2月中旬に日本国内における新型コロナウイルス感染症の発生を受けて,院内感染防止対策を開始した。宮城県の周産期医療体制下において,新型コロナウイルス感染陽性妊産婦(以下,陽性妊産婦)の受け入れが可能な病院は,仙台市内で3施設2)であった。いずれの施設も妊産婦に特化した病床の確保は困難であり,感染者の増加に伴い早晩満床になることが予測された。そのため,当院総合周産期母子医療センター(以下,母子センター)においても,陽性妊産婦の受け入れが可能な病床の確保と体制の構築が喫緊の課題となった。
本稿では,総合周産期母子医療センターとして陽性妊産婦の受け入れに備え,限られた施設・設備の中で各部門と協働し体制を構築した実践を報告する。
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