連載 現場が変わる! チームに働きかける母性看護CNSの実践・4
母性看護専門看護師の活用と現状の課題—実態調査の結果から
成田 伸
1
,
松原 まなみ
1
,
遠藤 俊子
1
,
上澤 悦子
1
,
工藤 美子
1
,
佐藤 陽子
1
,
長坂 桂子
1
,
町浦 美智子
1
1日本母性看護学会 高度実践看護師育成支援委員会
pp.322-326
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201243
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母性看護CNSの存在価値
出産年齢の高齢化や核家族化の進行から,身体・心理・社会的に複雑な課題を抱える母子や家族への支援は,健やかな次世代育成における重要課題である。2つの命を預かる周産期領域の現場では,本連載の第2回,第3回で「事例編」として紹介してきたように,倫理的課題も含め,複雑で高度な対応を必要とするハイリスク事例が増加しており,助産師たちはその対応に日々悩んでいる現状にある。そのような中において,高度実践看護を担う母性看護専門看護師(以下,CNS)の存在価値は大きい。
母性看護CNSは,卓越した高度なケア技術とキュアの知識を用いて,ハイリスク妊産褥婦・胎児・新生児,女性の生命の危機状態や病態をアセスメントし,健康の保持増進や重症化の防止に対応する,高度実践看護の能力を有するスペシャリストである。女性とその家族に予防的・継続的な介入を行い,女性のセルフケアを高めリスクをコントロールすることにより,健康アウトカムの向上を目指す。直接ケアのみならず,スタッフや組織に対するコンサルテーションや教育的役割,組織や人をつなぐ調整役割を担う臨床実践の変革者でもある。
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