連載 私たちの仕事場・3 特別編
クリニック アベマリア病院
pp.255-258
発行日 2016年4月25日
Published Date 2016/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200452
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私が8年前に,初めて訪問した「アベマリア産院」。マダガスカル第3の都市,アンツィラベにあり,産院周辺には安い大衆食堂や木造の平屋の建物が並び,宿泊施設も周辺にはない,田舎の静かな避暑地であった。今回,現地を再び訪れて驚いたのが,2〜3階建ての小ぎれいなホテルやイタリアンレストラン,インターネットカフェなどが開業し,ずいぶん町並みが近代的になっていたことだ。道路も舗装され,観光客を乗せたピカピカの四輪駆動車が頻繁に走り去っていく。
「病院になって,産科の個室が大部屋よりも先に埋まっていくから,客層のランクが上がったのではないかなぁ」。院内を案内してくれた聖フランシスコ修道会のシスター牧野幸江助産師(82)が,産院であった頃を思い出しながら話す。産科には,3食付きの個室と,入院中の食事がつかないために家族が褥婦に3食を届ける大部屋がある。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.