特集 70巻記念号 『助産雑誌』と私の歩み
【私と助産雑誌】
助産実践の現場を見つめ直しよりよいケアにつなげる
石川 紀子
1
1総合母子保健センター愛育病院産婦人科外来
pp.30-31
発行日 2016年1月25日
Published Date 2016/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200393
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ICM大会からのつながり
私が初めて原稿を書かせていただいたのは,1996年,当時まだ『助産婦雑誌』だった頃の特集「第24回ICM(国際助産婦連盟)オスロ大会」の「日本人参加者感想記」でした(第50巻9号)。ノルウェーの首都オスロの学会会場での,敏腕編集者,高木貴美子氏との出会いから,『助産雑誌』とのご縁が始まったのです。
今回,このご縁を振り返るにあたり,当時の自分の記事を読んでみました。20年前の私は,初めて参加した助産師の国際大会で何を感じ,何を得たのか,久しぶりに若かりし頃の自分を思い返したのです。なかでもオランダの助産師との出会いを印象深く記事にしていました。「妊産婦のケアは,医師の責任のもとに行なうのではない。私たちは,健康な女性の妊婦健診を医師の干渉を受けずに行なっている。助産師は正常な妊娠のスペシャリストよ」と話してくれたことを,記事から思い出しました。私にとって彼女のこの言葉は,後の「助産師外来」の開設実現の大きな力となったのです。
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