連載 りれー随筆・362
Step By Step 私のスピードで進みたい
ライト 葉子
pp.174-175
発行日 2015年2月25日
Published Date 2015/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200135
- 有料閲覧
- 文献概要
助産師となって10年目,結婚を機にイギリスに移住。日本では,早産や合併症があるなどリスクの高い妊産婦さんのケアが学びたいと思えばNICU併設の大学病院に,自然なお産が学びたい・産婦さんにもっと寄り添ったケアがしたいと思えば個人の小さなクリニックにと,さまざまな施設でたくさんの経験を積ませていただきました。その間,たくさんの先輩・後輩助産師,医師そして妊産婦さんと出会い,助産師としても人としても大きく成長することができました。
そのなかで,寄り添うこと・気持ちを汲み取ること・個々に合ったケアがどれほど大切か,ということを学びました。出産は生まれてくる子・産む人,家族にとっては一度きりのものです。2人目・3人目と出産したとしても,その子との出会いの瞬間は何にも代えることはできません。私の助産師人生を振り返ると,新人の頃は私自身のお産に対する思いが強すぎて,妊産婦さんに“私中心で進むケア・お産”を強いていたと反省しています。大切な2つ(母と子)の命を預かる助産師として,時には厳しい言葉をかけなければならない場面もあります。その根底に優しさと思いやりの心,信頼関係があれば気持ちは伝わると思います。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.