連載 NYのバースセンターから・8
アメリカの医療制度
宍戸 あき
pp.749
発行日 2014年8月25日
Published Date 2014/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102896
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産後訪問と新生児健診
お産後2日目にはスタッフが自宅に訪問する。主に訪問を行なうのはRegistered Nurse(RN)で褥婦や新生児のバイタルサインを測ったり,産後の経過をインタビューしたりする。また新生児の聴覚検査,PKUスクリーニングなども行なう。当センターではお産後問題のない場合は4時間で退院するので,褥婦の経過や,母乳育児,児の経過やケアについて退院前に指導し,パンフレットを渡す。注意点や,どのような時に助産師,小児科医に連絡するかなども伝える。もちろんRNが訪ねる前に何か問題が予想される場合はこまめに連絡を取り,提携病院へ搬送することもあるが,RNの訪問によって,児の呼吸が速い,母の血圧が高いなどの問題点が見つかることもある。
病院で分娩した場合は24~48時間後に退院するので,訪問看護はなく,6週間目に外来へ来てもらう。アメリカでは合併症がない限り,日本のように産褥5~7日入院しているということはまずない。アメリカでは親が児のために産前に小児科医を探しておくのが常である。病院で出産後,その小児科医が病院に提携していれば訪問して健診し,児は退院を許可される。提携していない場合は施設常勤の小児科医が行なう。退院後の新生児のケアは小児科医のクリニックで継続される。
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