連載 災害時の母子保健 妊産婦を守る助産師の役割・11
産後ケアのフォロー―新生児訪問,予防接種
吉田 穂波
1
1国立保健医療科学院生涯健康研究部
pp.1084-1088
発行日 2013年12月25日
Published Date 2013/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102667
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震災前まで医療機関で周産期診療にあたっていた産婦人科医にとって,産後のケアというのは馴染みのない領域でした。筆者自身が4人の子どもたちを授かり,4回の産後の時期を体験して初めて,産後というのはこれほどに重要な時期であるのか,と思い知りました。
私がドイツで第1子を出産したのは2004年のことです。子育てをして初めて「母親は自分の心身のメンテナンスは後回しで,子どもの健康にばかり気持ちが集中してしまう」ということに気づきました。しかし,欧米の先輩ママたちはみな「お母さんがハッピーなら子どももハッピーよ!」と胸を張って,自分の体をケアしています。その方法も,女性ホルモン剤からアロマセラピーまでさまざまです。また,産婦人科医や助産師など専門家へのアクセスがよく,医療者相手でも議論や相談をすることに躊躇しないため,患者側から聞きたいことをはっきり伝え,きちんと教えてもらっています。
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