連載 女性骨盤底再入門 いま知っておきたいこと・5
女性骨盤底障害の経過と受診について
中田 真木
1
1三井記念病院産婦人科
pp.268-272
発行日 2012年3月25日
Published Date 2012/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102140
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これまでの3回の連載では,妊娠中から分娩までの骨盤底の問題を順々に扱ってきました。次は産褥の骨盤底に進むのがふつうの順序ですが,少し思うところがありまして,今回は閑話休題,趣向を切り替えて「女性骨盤底障害の経過と受診」を扱います。これは女性の心と社会の側面に関する話です。
腹圧性尿失禁(stress urinary incontinence:以下,SUI)や子宮脱・性器脱(pelvic organ prolapse:以下,POP)などの骨盤底障害は,生命を脅かすことがほとんどなく,患者さんにしてもこれが深刻な病気という受け止め方は必ずしもしていません。このことは医療者側も同じで,生命にすぐ直結することではないため,対応の優先度が下がる傾向があります。また,骨盤底のトラブルはデリケートな心の問題を伴い,診療上扱い難い部分があるためになかなか対応がやっかいです。
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