特集 いい運動,悪い運動
「疾患と運動」にまつわる不安に答えます
[総論]疾患と運動について患者・看護師が抱える不安とは
片田 圭一
1
Keiichi Katada
1
1石川県立中央病院リハビリテーション部
pp.632-637
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661101296
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はじめに
運動は古くから治療として取り入れられてきましたが,近年では心疾患や脳卒中などの治療において急性期から積極的に運動療法が行なわれるようになりました.また,糖尿病や慢性呼吸器疾患,腎疾患などの慢性疾患の治療においても運動療法が推奨されています.今年度から導入された特定保健指導制度では,メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病予防として積極的に運動指導が行なわれる予定です.このように,各疾患の予防,治療,リハビリテーションの分野で運動療法が行なわれています.
しかし,患者が1人で実施する場面では「どの時期(病期)にどの程度(種類・強度・時間・頻度)の運動が適しているのか」が曖昧であったり,「運動することで逆に体調を悪化させてしまうのではないか」という不安があるかと思います.そこで,今回は身体に対する運動の影響を考え,内科的疾患と運動についての知識や誤解について整理し,「いい運動・悪い運動」を判断する手がかりとしていきたいと思います.
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