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健康推進員のやりがい向上プロジェクト―彦根市の健康教室の取り組み/バランスよく食べて介護いらずの生活を!―彦根市における健康推進員主導の健康教室
田口 敦子
1
,
村山 洋史
2
,
宮尾 智香子
3
,
大澤 吉子
,
五坪 千恵子
3
1東北大学医学系研究科
2東京大学高齢社会総合研究機構
3彦根市健康推進課
pp.893-895,930-934
発行日 2016年11月10日
Published Date 2016/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200563
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はじめに
超高齢社会においてコミュニティの互助を促進する環境づくりは急務であり,行政が育成・支援する行政育成型住民組織に,互助活動の一翼を担うことへの期待が寄せられています。行政育成型住民組織には,健康推進員や食生活改善推進員等があります。これらは第二次世界大戦後の公衆衛生の向上を目的に自治体が育成したことが始まりですが,現在でも健康推進員は全国の自治体の約6割が,食生活改善推進員は8割以上の自治体が育成・支援しています1)。
一方で,これらの住民組織は,主婦を主力としてきたため,近年の女性の社会進出による「なり手」の減少や,活動への負担感により,やりがいを見出す前に辞めてしまう人も少なくありません2,3)。住民組織は地域住民の健康を高めることを目標に活動していますが,まずはメンバーが楽しくやりがいをもって活動できることが大切です。
そこで私たちは,彦根市と協働し,行政型住民組織の1つである健康推進員のやりがいを高め,参加者にも効果的な健康教室を考案し,実施しました。本稿では,その内容と成果を紹介します。
彦根市では,健康推進員の新しいメンバーを増やし,活動を活発化する目的で,健康推進員主導による健康教室を考案。「食」をテーマに,保健師と栄養士の支援のもと,推進員が健康教室の成功のために学習を重ね,楽しさとやりがいを実感しながら準備をし,開催した。健康教室の参加者が次年度には推進員となっていく好循環の取り組みを紹介する。
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