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はじめに
私は37年間兵庫県に奉職し,その間保健師として保健所や総合衛生学院,本庁の保健・医療・福祉の各課に勤務した後,保健師初の青少年課長,男女共同参画センター所長,こどもの館館長兼幼児教育センター所長を経て,総合衛生学院長で定年退職。その後3年間,社会福祉研修所長を務め,2012(平成24)年4月から兵庫県職員OB・OGによる組織「ひょうご県友会」に次長兼健康相談員として勤務しています。
ひょうご県友会の会長,前兵庫県知事の貝原俊民氏は,知事時代に長年にわたる県内看護職の願いであった公立の看護大学を,全国に先駆けて単科大学として設立ました。また,1995(平成7)年の阪神淡路大震災のときには,強いリーダーシップを発揮し,身を挺して果敢に復旧・復興に取り組まれました。発災直後に開始された全国自治体からの保健師や日本看護協会の看護ボランティアの派遣など,看護職の災害支援活動を高く評価され,のちに行政と看護大学,看護協会の三者で政策提案した「まちの保健室事業」を,仮設住宅や復興住宅に引きこもる高齢者対策として復興政策の柱に位置づけられたことでも知られています。
県や市町の保健師と看護協会会員,看護大学教員が一丸となって取り組んだこの事業が,現在日本看護協会が全国展開している「まちの保健室」の礎となったことは言うまでもありません。
本庁勤務時代にこれらの事業に深く関わらせていただいた私は,看護界の発展をリードされた貝原会長はじめ県職先輩の方々への感謝の気持ちを込めて,再び保健師仲間らとともに活動を開始することにしたのです。
本稿では,職員OB,とくに保健師OGの経験を活かした,高齢者の健康づくり支援の取り組みについて紹介します。
ひょうご県友会は,兵庫県退職者の有志で構成する会員約3500名の任意団体です。県内を8支部(神戸,阪神,東播,西播,北但,南但,丹波,淡路)に分け,本部事務局と支部が連携して,会員相互の親睦交流を図るとともに,県政の推進並びに地域社会の発展に寄与する活動を展開しています。
今後は,地域社会の発展に寄与する活動をさらに強化していくという方針のもと,ひょうご県友会の社会貢献活動と兵庫県職員互助会(正会員1万3400名と特別退職会員7000名)の公益事業との共同で,県の退職者並びにシニア世代の県民を対象に「シニアはつらつ応援事業」を実施することとし,2013(平成25)年7月から事業をスタート,今年度で2年目を迎えています。
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