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口蹄疫の全被災農家を対象とした電話スクリーニングの意義
渡 路子
1
1宮崎県精神保健福祉センター
pp.220-225
発行日 2012年3月10日
Published Date 2012/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101822
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宮崎県の畜産業と口蹄疫の発生
宮崎県は太平洋を望む温暖な場所に位置し,人柄も含めて大変ゆったりとした地域である。以前は「宮崎と言えば新婚旅行」とも言われ,観光地として栄えていたものの,近年はその活気を失い,経済状況を見ても,県民所得は全国40位(財産所得46位,企業所得43位・2006年度県民経済計算)に位置する。また自殺率が全国でも高率に推移しているという問題も抱えている(2007年全国第2位,2010年全国第6位)。
しかしながら,農業については,産出額が全国第5位(3246億円)と,国内有数の食料生産・供給基地としての地位が確立されている。とくに畜産業は農業産出額全体の57.6%を占め,2007(平成19)年に全国でグランドチャンピオンとなった「宮崎牛」や,東国原知事の就任後に全国的なブームとなった「みやざき地頭鶏」「ハマユウポーク」など,さまざまなブランド家畜が県内の農業推進の大きな牽引役ともなっている。宮崎県民にとっては,畜産業が大きな誇りなのである。
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