特集1 保健事業の業務委託 委託の実際と適切な活用をめざすためのポイント
保健師の仕事と業務委託
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部マネジメント総合学科
pp.912-916
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100266
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業務委託の現状と法的意味
■業務委託が進む地方自治体
「官から民へ」というかけ声のもとで,全国の地方自治体で業務の委託が進んでいる。図1は総務省が調査した2003年4月1日現在の施設の運営事務における委託の状況である1)。5年前に比べて全部または一部の業務を委託をする自治体の割合は確実に増加している。
業務委託が進んでいる最も大きな理由に,地方自治体における財政危機がある。どの自治体でも財政状況は火の車だ。仕事の成果にかかわらず,毎年,定期的に昇給する公務員の給与は,民間の職員給与に比べて圧倒的に高い。各種手当や共済費や福利厚生費,退職金の在職年数で割った金額を合わせれば,40~50歳台の職員の年間の給与コストは1000万円を超す。同じ仕事を民間に委託する場合のコストに大きな違いが出てくるため,各自治体は,少しでも人件費コストを下げようとして業務の委託をめざすこととなる。
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