特集 実践医療におけるPOS
Ⅶ.医療と医療人教育における‘DOSからPOS’への変革
植村 研一
1
1浜松医科大学
pp.795-796
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907619
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‘医は仁術なり’といわれた時代は遠い過去のものとなり,‘医は算術なり’とか‘病気を治して人を治さず’といった批判の声が絶えない,昨今の医療制度と医療内容である.医療と医療人教育の変遷を,‘DOS’と‘POS’の対立する観点から見てみよう.
予防医学や臨床心理学の未発達の時代は,健康人にとって医師は用はなく,医師の任務は‘患者の疾患を診断し治療する’という疾患中心主義(Disease Oriented System;DOS)の時代であった.当時は,まだ医学が未分化であったため,すべての医師が当代医学の全般に精通し,GP(一般実地臨床医)として患者全体をケアするという患者中心主義(Patient Oriented System;POS)の時代でもあったのではなかろうか.つまり,DOSとPOSとが併存するよき時代から出発したのではなかろうか.
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