連載 看護教育の理念を求めて
看護と看護婦—私の研究の叙述的決算
橋本 寿三男
1
1財団法人厚生団
pp.44-47
発行日 1967年7月1日
Published Date 1967/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905848
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はじめに
看護という概念は,近ごろとみに拡大されている。これは医学という概念がどんどん拡大されて,新しい分野を開拓しようとしているのと似ている。今日では,看護の字句が示めす「患者のみとり」といった意味から,新しい何かを表現しようとするかに思えるのは,医学の語義が,健康恢復から健康保持へさらに健康増進,社会復帰にまで拡大されつつあるのと符合する。
そして,医学は科学であるか技術であるかについてその方向を迷いつつあるのではないかと思われる現象に対して,看護はいかにも科学であることを強調するような施策が,つぎつぎに樹てられてゆくことについて,私は多少のとまどいを感じざるを得ない。
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