調査研究
片麻痺のある脳血管障害患者の腋窩温
芳賀 佐和子
1
,
大森 祐三子
1
,
角濱 春美
2
1東京慈恵会医科大学医学部看護学科
2元東京慈恵会医科大学医学部看護学科
pp.544-548
発行日 1999年7月25日
Published Date 1999/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902096
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はじめに
脳血管障害で片麻痺のある患者の腋窩検温は,一般的に「健側腋窩で測定する」とされている.また,看護基礎教育の基礎看護技術に関する本の中でも「麻痺のある場合は,健側で行う」と記載されている.その理由は「体内温は血液によって末梢に運ばれているが,血液循環が悪い麻痺側では温度が低い」と書かれている1).従って,腋窩温の測定は温度の高い健側で行うとよいということになる.
しかし,臨床で片麻痺のある脳血管障害患者のケアを実施する際に,麻痺側(患側)の腕のほうが温かく感じることが多々あるので,常に麻痺側の温度は低いと言いきれないのではないか,という疑問を感じた.また,健側腋窩で10分間体温を測定することは,麻痺のある患者にとって拘束感が大きいと感じる場面にしばしば遭遇した.
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