特集 大学院急増の時代―新設された6修士課程
看護学の確立と教育研究者の育成―富山医科薬科大学大学院看護学専攻(修士課程)
神郡 博
1
1富山医科薬科大学(医学部看護学科)
pp.342-345
発行日 1997年5月25日
Published Date 1997/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901609
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はじめに
看護系の大学は,ここ数年の間に急速に増加し,1997(平成9)年4月スタートの6校を加えると51校を数えるに至っている.この背景には,医療技術の高度化,高齢社会の到来とともに,人々の健康に対する関心の高まり,医療福祉サービスの充実を求める社会の要請がある.そして,これらの社会的要請を満たすためには,人々の多様な保健医療ニーズを的確に把握し,それに必要な看護の役割が十分に果たせる人材の育成が急務だとする医療社会内部の強い要求がある.これらが呼応して今日の趨勢を導き出していると考えることができる.
看護系大学の創設は,しかし,単に社会の求める有能な看護の人材を育成するという目的に止まるものではない.これらの教育を支えるためには,それぞれの領域における看護学の確立と教育研究者の育成が並行されなければならないからである.これはとりもなおさず,看護学の大学院教育への道を開くものである.
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