特集 大学教育の目指すものPart1
新設看護系大学4校の開設準備過程
3専攻からなる保健学科新設の意義―大阪大学医学部保健学科看護学専攻の開設準備過程
大西 俊造
1
1大阪大学医学部保健学科看護学専攻
pp.778-783
発行日 1994年10月25日
Published Date 1994/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900945
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1931(昭和6)年,医学部と理学部の2学部から成る大阪帝国大学として創設され,1933(昭和8年)年に工学部を併せて理工系大学として歩み出した大阪大学は,現在では10学部,12大学院研究科,全学共通教育機構,言語文化部,健康体育部,5研究所,2つの附属病院および15の先進的な研究センター等の部局を持つ,我が国有数の総合大学に成長した.この60余年の発展の歴史には,大阪大学が先鞭をつけて創設し,後に他の大学でも設置される途を拓いた学部・学科等の新しい組織や理念の例は数多く,まさにその事例の1つとして全国で最初の大阪大学併設医療技術短期大学部があり,さらに最近の適例として1993(平成5)年10月に設置された大阪大学医学部保健学科(看護学,放射線技術科学,検査技術科学の3専攻で構成)を挙げることが出来よう.
さらに言えば「地域に生き世界に伸びる」をモットーとする大阪大学に保健学科はまことにふさわしく,かつ3専攻から成る保健学科は,看護学科のみの学科と異なり,医学医療の進歩に対応する医療チーム内の各種医療技術者と共に,それぞれの特性を生かしながら看護職者が高度教育を享受出来る点にもあると言える.以下,当保健学科の1専攻である看護学専攻を中心として記述を進めることにする.
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