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書評 脱・しくじりプレゼン―言いたいことを言うと伝わらない!
柳 めぐみ
1
1姫路赤十字看護専門学校
pp.367
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201234
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41の失敗事例で、「伝え方」スキルを学ぶ
看護基礎教育にかかわる教員は、学生が興味をもって主体的に学べる授業を行いたいと常に考えています。しかし、学生が寝ている、問いかけても反応がない、伝えたいことが理解してもらえないなど、教員たちの悩みはつきません。世代間のギャップもあり、今まで行っていた説明の仕方では通用しないことも多々経験します。たとえば、災害時の備えについて考えてほしいと思い、阪神・淡路大震災を例に出します。災害看護学の発展の契機となった大災害であり、地元で暮らすわれわれには忘れることのできない出来事ですが、学生にとっては、まだ生まれる前の過去のことで、ピンとこないようです。そもそも「災害看護」という専門用語が、入学したばかりの学生には理解できないのかもしれません。
効果的な授業を実施するには、伝える内容の精選はもちろん、伝え方、つまりプレゼンスキルが欠かせません。本書は、「医療者とプレゼンのプロが“しくじらない”極意を教えます」とあるとおり、とてもわかりやすくプレゼンテーションについて解説されています。編著者である八幡紕芦史先生は、日本におけるプレゼンテーション分野の第一人者で、企業や官公庁・自治体でのプレゼンテーション教育、大学での講義、多種業界での講演活動、関連書籍や雑誌の執筆とご活躍されています。さらに、本書は医療現場に特化して、現役の医療従事者とともに執筆されています。
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