特集 看護教育の現場にプレゼンテーション力を活かす!
講義で活かすプレゼンテーション
百瀬 栄美子
1
1学校法人麻生塾麻生看護医療専門学校
pp.12-18
発行日 2012年1月25日
Published Date 2012/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101962
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 講義に興味のなさそうな学生に対してのプレゼンテーションの工夫
まずは聞き手を理解する
4月,志を高くして入学して来た学生たちも開講とともに初めて耳にする専門用語,加えて膨大な教育内容・レベルの高さに戸惑い始め,表情も徐々に曇りがちとなる。本校は,『1年生・全員寮生活』を課していることもあり,友達との関係作り・寮の規則への息苦しさなどから二重にも三重にもストレスが重なっていくようである。自由を謳歌している現代の若者にとっては拷問のごとく(?)であろう状態は,毎年のことながら授業に集中できない要因の1つとなり,『講義に興味をもつどころではない現象』となって現れてくるのである。用意周到であってもその場の状況に応じては,咄嗟の判断で授業展開を変えざるを得ないこともときにある。まさに臨床と同じく,相手は生身の人間なのであるから。
私は講義のスキルについて考えるとき,自分自身のスキルに加え,生活者としての学生をいかにとらえたうえで講義に向かわせるか……,これも重要だと考えている。本校の学生だけであろうか,先記したように昨今の学生は本当に悩み多き若者たちである。入学後,看護師の夢に向かって意気揚々として机に向かっていたはずが,時間の経過とともに友人関係の悩み相談事が上位1位or2位。時に涙を流して教員へ訴えてくる場面もチラホラ目にする。この年代の感情表現の多様さを羨ましくも思う。私は密かにこの現象を『友達ジプシー症候群』と呼んでいるが……。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.