連載 看護の高等教育化と今後の課題・1【新連載】
平成初期から平成10年までの看護の高等教育化とそれに伴う報告書・提言
大室 律子
1
1千葉大学大学院看護学研究科 附属看護実践研究指導センター
pp.308-315
発行日 2010年4月25日
Published Date 2010/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101442
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はじめに―連載を始めるにあたって
平成4(1992)年度に文部省高等教育局医学教育課に新たに看護教育専門官1名(以下,専門官)が新設された。その業務は「看護系大学及び大学院整備にむけて看護教員の養成確保や大学教育内容の検討,看護の資質向上に対する企画立案,指導助言体制の確立などを図る」1)ことである。わが国の看護系大学は,平成3(1991)年度は11校に過ぎなかったが,平成4年から急速に大学化が進み,平成21(2009)年度には178校にもなった。
初代専門官である筆者を含め,現在までに5名の専門官がそれぞれ看護系大学の新・増設や看護学教育に関するタイムリーな報告書作成等に携わってきた。
そこで,(1)看護系大学整備に関わってきた各専門官が平成初期から平成21年度までに各自がどのような状況下で職務に関わってきたかを述べ,(2)日本の看護系大学整備の創設期に直接かかわった担当者が記録を残すことにより,今後の看護学教育の歴史的資料の一部とすることにした。
このシリーズの最初の執筆者として筆者が専門官として務めた平成初期から平成10(1998)年までの事跡について記した。同様の趣旨を含む法律,報告書,提言等を正確に期するために原文通り記載したので煩わしい感じを与えるかもしれないことをお許し願いたい。
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