連載 人が生きる現場・6
“理解すること”よりも“理解者であること”を―めぐみ在宅クリニック
服部 洋一
1
1静岡県立静岡がんセンター研究所
pp.773-775
発行日 2007年9月25日
Published Date 2007/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100760
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◆傾聴は相手を理解する手段ではない
「“傾聴”は,相手を理解するための手段ではありません」 小澤竹俊医師は言う。柔和な丸顔。同じように丸い眼鏡の奥に,燃えるような意志の力を感じさせる瞳がある。
1963年東京生まれ。東京慈恵会医科大学医学部卒業後,救命救急センター,農村医療に従事。94年に横浜甦生病院に着任し,2年後からホスピス病棟長を務めた。以後10年間に看取った患者さんの数は,およそ1300人に上る。
2006年10月,クリニックを開設。診療報酬制度上,ホスピス病棟ではがんとエイズの患者さんしか診ることができない。「どんな病気であったとしても,安心して最期を迎えられる社会にしたい」そう考えて,小澤医師は病院を出た。
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