連載 世界のフィールドから 健康づくりはボーダレス・17
村で清潔かつ安全なお産をするために−タンザニアのTBA Kitリボルビング・ファンドの試み
小川 寿美子
1
1琉球大学医学部医学科保健医学
pp.1186-1189
発行日 2000年12月10日
Published Date 2000/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902369
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日本の政府開発援助(ODA),いわゆる国際協力のための予算は,過去12年間,世界で第1位の額を誇っています。うち保健医療分野では,80年代は病院・研究所などの大型援助が主流を占めていましたが,90年代に入り住民の健康に焦点をあてた地域保健の案件数が年記5件から16件へと3倍以上増加しています1)。
具体的には,プライマリ・ヘルスケア,リプロダクティブ・ヘルス,HIV/AIDSプログラム,母子保健,予防接種拡大プログラムなどの活動です。最大多数の住民を対象とした健康づくりのためには,元来の数限られた専門職に対する技術移転型援助よりも,広く地域住民に密着した活動を展開する方が効果的,という考えに基づくものです。
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