特別記事
—予防医学からグローバル健康科学への転換—21世紀の健康文明と地域保健・看護学の新しい展望について[2]—なぜ21世紀の新・健康文明を考えるか
松田 正己
1
1静岡県立大学看護学部・地域看護学
pp.945-949
発行日 1998年10月10日
Published Date 1998/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901876
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前月号では予防医学を,20世紀のいわばパラダイム(基本的な思考の範型)として考察してきた。それらはなぜ,今後,乗り越えられなければいけないのだろうか。その端的な例として,感染症予防と人権のバランスの問題,および,老人ケアの憎しみについて示してみたい。これらは現代社会の重要な諸課題に通じる問題群の例であるが,20世紀の予防医学のパラダイムでは無視され,解決できずに残されている。そして,それら課題の根底を成す視点として,“文明”の視点と“科学の利便性追求”そしてその根底にある“人々の自己実現の欲求”について述べていこう。
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