特別寄稿
アメリカにおける高齢者をとりまく医療および福祉の状況について—サンフランシスコ周辺の医療施設を訪問して
森山 瑠璃子
1
,
渡辺 里恵
1
,
武藤 昭子
2
,
川畑 和代
2
,
平沢 秀人
3
1豊島区長崎保健所
2豊島区池袋保健所
3東京都老人医療センター精神科
pp.470-473
発行日 1997年6月10日
Published Date 1997/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901588
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はじめに
筆者らは豊島区の保健所において,健康相談や訪問看護などを行っているが,対象区民の年齢層は新生児から高齢者までと幅広く,抱える問題も多岐にわたっている。ことに高齢者についての問題は大きい。幸い近隣には高齢者の専門病院が多くあり,緊急時の受診も比較的可能な場合が多い。しかし,高齢者の福祉面においては,病院受診にまでは至らないものの高齢者の健康管理や予防の問題,さらに退院後の介護や生活環境など,さまざまな問題で苦慮している(表1)。
筆者は1996年6月にサンフランシスコに行く機会があり,当地での医療,福祉施設を見学し,アメリカにおける医療・福祉の現状をかいま見ることができた。そして当保健所が抱えている高齢者の問題を考えるうえで興味深いいくつかの情報が得られたので,ここに報告する。
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